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興聖寺について
道元禅師の教え
興聖門下、且く道え、如何。
道元禅師は嘉禎2年(1236)十月十五日に、初めて興聖宝林禅師に住持として道場を開き、修行僧を集めて、仏の教えを説かれた。『永平広録』より
HISTORY
歴史と起源
道元禅師による、
日本最古の修行道場「興聖寺」
興聖寺は、正式には「佛徳山観音導利院興聖宝林禅寺」と申します。
その発祥は1233年にさかのぼり、中国から帰朝された道元禅師が伏見深草に日本で初めて開いた禅宗寺院であり、
現在、日本に14,000以上ある曹洞宗において最古の道場です。
その後、江戸時代初期の正保2年(1645年)に淀城主の永井尚政公が
萬安英種禅師を中興開山に請じ、宇治に興聖寺を再興し現代に至っております。
当寺院は曹洞宗初開道場として、日々国土安隠、万邦和楽、正法興隆、修道無難を願い、お勤めをしております。
興聖寺歴史年表
- 1229
- 寛喜元年
道元禅師(どうげんぜんじ)が宋から帰国後、深草の安養院に閑居。
藤原氏ゆかり極楽寺の跡地と考えられる
- 1233
- 天福元年
道元禅師が深草に興聖寺を開創。「観音導利院興聖宝林寺」と号する。
僧侶の教育・育生を目指す修行道場として全国最初に開かれる。
このことから「曹洞宗初開道場」とは興聖寺のことを指す。
- 1236
- 天福四年
興聖寺僧堂を開き正法眼蔵の大半が示された。
- 1243
- 天福十一年
道元禅師が波多野義重の請により越前に移る。
- 1645
- 正保2年
淀城主の永井尚政(ながいなおまさ)公が、萬安英種禅師(ばんなんえいじゅ)を中興開山に請じ宇治旭茶園の地に興聖寺を再興。以来、曹洞宗の修行道場として今日に至る。
曹洞宗の坐禅
只管打坐
曹洞宗の教えの根幹は坐禅にあります。それはお釈迦さまが坐禅の修行に精進され、悟りを開かれたことに由来するものです。禅とは物事の真実の姿、あり方を見極めて、これに正しく対応していく心のはたらきを調えることを指します。そして坐ることによって身体を安定させ、心を集中させることで身・息・心の調和をはかります。
曹洞宗の坐禅は「只管打坐」、ただひたすらに坐るということです。何か他に目的があってそれを達成する手段として坐禅をするのではありません。坐禅をする姿そのものが「仏の姿」であり、悟りの姿なのです。私たちは普段の生活の中で自分勝手な欲望や、物事の表面に振りまわされてしまいがちですが、坐禅においては様々な思惑や欲にとらわれないことが肝心です。
- 道元禅師(1200年~1253年)
INFORMATION
拝観される皆さまへ
新春の大般若祈祷、夏の盂蘭盆会、初秋の開山忌。紅葉に染まる宇治茶祭り、茶筅供養。坐禅に打ち込む臘八攝心・成道会。四季折々に定められた法要・法会がございます。
七堂伽藍という様式で建立された境内は、まさに威風堂々として歴史を紡ぐ古刹の景観と静寂に包まれ、初開き禅道場として訪れる者を厳粛な気持ちにさせます。
実際に目で見て体で感じることができる坐禅、写経、法要、講義などを実施しております。境内に禅堂や写経道場があり、お申込みいただければどなたでも気軽に坐禅や写経の体験ができます。
ご拝観の受付は夜明けから日没まで(おおよそ5時~17時)。京阪宇治線宇治駅より徒歩約15分、JR奈良線宇治駅より徒歩約25分。駐車場(要献香料)もございます。
SEASON
興聖寺の四季
四季折々移り変わる風景
~美しき表情~
春は桜。新緑が輝く夏。紅葉に染まる秋。そして凛とした冬。
開山から七百と数十年を超えて歴史を紡ぐ興聖寺は、四季それぞれに静かにして力強い美しさを放ちながら
仏教の教えを学ぶ禅道場の暦を未来永劫と巡ってまいります。
- 春
- 夏
- 秋
- 冬
春
Spring
春は桜。四季折々にさまざまな表情で訪れる人々を魅了する大書院の庭も桜が見事に美しい季節です。お釈迦様がお生まれになった4月8日には、花まつり(降誕会)が行われます。
- 琴坂
- 前庭
- 大書院庭園
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夏
Summer
樹木の影と宇治川からの風が涼やかな夏。5月15日より3ヶ月に渡る夏安居が始まるころ、琴坂は新緑に萌えて興聖寺は輝の季節を迎えます。
- 琴坂
- 前庭
- 大書院庭園
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秋
Autumn
道元禅師の御命日である開山忌を終えて間もなく紅葉が色づき始める秋。琴坂は色とりどりの錦に染まります。色葉散る頃に成道会を迎え、季節は冬の到来を告げます。
- 琴坂
- 前庭
- 大書院庭園
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冬
Winter
凛とした空気張り詰める冬。修行道場は制中の期間となり厳しい修行の季節を迎えます。興聖寺では12月1日から成道会当日までの一週間、臘八大摂心という昼夜通しての坐禅修行が始まります。
- 琴坂
- 前庭
- 大書院庭園
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